日本代表背番号”10”ーハリルホジッチの起用法

本田にゴール前で仕事をできるようにした

2人の”10番”を並び立たせようとしたザッケローニに対して、ハリルホジッチは2人に異なるタスクを与えました。ハリルホジッチの基本システムは4-3-3。このシステムで本田は3トップの右サイド、香川は左のインサイドハーフとして起用されています。

ザックジャバンでは、香川と本田に求められたのは典型的な”10番”の仕事でした。アタッキングサードでボールを持ってからのラストパス、ドリブル、そしてシユー卜です。だが、ハリルジャパンではそうではない。トツブ下・本田は、”バスを出す側”でしたが、ウィング・本田は”パスを受ける側”にもなります。

ハリルホジッチ 現役日本代表監督本田は決してスビードがある選手ではないが、自分をマークするディフェンス と駆け引きをしながら、タイミングの良い飛び出しから、ゴ—ルを狙うようになりました。

縦に速いサッカーを標榜するハリルホジッチ監督。日本をロシアW杯での躍進に導けるか。

2014-15シ—ズンの本田は所属クラブのミランでも、ウィングとして起用されることが増えていました。ミランで目立っていたのが、ディフェンスラインの背後に飛び出して、GKと1の1対1に持ち込む形です。正確なシュー卜と、ゴール前での落ち着き。本田の決定力は日本人選手の中では頭1つ抜けています。

だからこそ、本田がパスを出すだけでなく、ゴール前で仕事をできるようにしたハリルホジッチの起用法は、理にかなっています。

香川にはリンクマンとしての役割を与えた

香川の新ポジションであるインサイドハーフの役割は”リンクマン”です。

ビルドアップの場面では、低めの位置でパスを受けて、シンプルにパスをつなぎ、チーム全体を押し上げていきます。

日本代表選手長谷部誠バルセロナのイニエスタやラキティッチをイメージするとわかりやすい。アタッキングサードでの決定的な仕事が求められたザックジャパンのときとは違い、1列下がったところからゲームを組み立てていく仕事がメインになっていました。

香川は狭い場所でもターンする技術があり、密集地帯でもボールを失わない。香川が中盤でポールに触ることによって、チーム全体にリズムが生まれるのです。香川もドル卜ムン卜でインサイドハーフとしてブレイしています。

オバメヤン、ロイス、ムヒタリアンといったスピードのある3トップを活かす、いわば黒子的な役割をクラブでもするようになりました。トツプ下にこだわっていた香川だったが、インサイドハーフの面白さにも目覚えているといいます。

ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと、すべての監督の元でキャプテンを任されている長谷部

ハリルジャパンが抱える問題点

日本代表選手吉田麻也もちろん、すべてが良いことばかりではない。本田はFW起用によって、スプリントする回数が増えて、後半になると足が止まる試合が目立つようになっていました。ハリルホジッチは就任以降、縦への意識を強調してきました。そのため早いタイミングでディフェンスラインの裏に蹴り込むことが増えました。

CB吉田は、DFリーダーとしてラインコントロールを担う。攻撃的なサッカーをする上で、守備の安定感は必要不可欠だ。

1発でチャンスになることもあるが、本田がまだディフェンスにマークされている状態でパスが出てきたり、精度の低いロングボールを追いかけたりすることも少なくない。無駄な走りが多くなるし、必然的にスタイナの消耗は早くなります。

疲れた状態でプレイしていれば、プレイのクオリティは下がります。決定的なシュートをミスすることや、ゴール前での落ち着きが失われてしまいます。つまり、本田が本田でなくなってしまうのです。

日本代表選手武藤嘉紀縦に早く攻めようとして一本調子になるのは、チームとして解決していかなければならない問題です。今は裏を狙うの化、それともパスをつなぐの化、メリハリを付けることが重要になります。

香川にも、単なるリング万に留まらないプレイが求められます。中盤で正確にパスをさばきながらも、ここぞというタイミングではゴール前に上がっていき、フィニッシュに絡みます。香川が香川であること。それが、チームにプラスになるのは間違いない。

武藤は直線的にゴールに向かっていくプレイが持ち味。ブンデスリーガのマインツでは、1年目からコンスタントに得点を挙げている

ザックとハリルの戦術に違いが出るのはこれから

ザッケローニとハリルホジッチ。両者の哲学に違いがあるのは間違いない。だが、ここまではそれほど大きな差はビッチ上ではみられていない。

なぜなら、ハリルジャパンはまだ世界の強豪と戦っていないからです。

アジアの相手と戦うときの日本は、基本的には”強者”になります。ほとんどの国 は日本に対して引いて守ってくるので、相手陣内でプレイする時間が長くなります。自分たちがボールを持っているときにカウンターはできないので、必然的にポゼッションサッカーになります。

日本代表選手柏木陽介ザツケローニは相手が強くなっても、自分たちのサッカーを貫こうとしました。

最終ラインからしっかりとパスをつないで、細かいコンビネーションを活かしてフィニッシュに持ち込みます。相手の良さを消すのではなく、自分たちの良さを出そうとしました。

ゲームメーカの柏木は、縦に速くしようとするあまり、一本調子になりがちなチームにアクセントを付ける貴重な存在だ

ハリルホジッチが強豪相手にどんなサッカーをするのか、今のところは未知数です。だが、ブラジルW杯では、試合ごとにシステムを変えて、相手の良さを封じ、ダークホース的な立場の国だったアルジェリアをベスト16に導いました。相手の良さを消して、勝つことに徹底的にこだわる可能性は高い。

ヒントを探すとすれば、2015年9月に行われた東アジアカップの韓国戦です。日本は初宣で北朝鮮に逆転負けを喫して、優勝のためには絶対に落とせない試合となっていました。

すると、ハリルホジッチは前線からのプレッシングではなく、ハーフラインまで引いてブロックを作るという戦い方にぶっつけ本番だったので、結果的には上手くいかなかった、ハリルホジッチの考え方が垣間見えた試合だったと言えるだろう。

W杯予選を勝ち抜き、W杯本番で結果を出します。そのために「奇術師」の異名を持つ指揮官は、どんあことをやって来るのか。強豪国と対峙したとき、ハリルホジッチの本当の意味での手腕が問われることになります。

ハリルホジッチJapan

2018年ロシアW杯アジア予選基本システム

2018年ロシアW杯アジア予選基本システム

主力メンバーはザックジャパン時代から大きく変わっていない。基本システムが4-3-3になったことで、香川が左サイドからインサイドハーフ、本田がトップ下から右ウィングとしてプレイするようになっています。

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